栄典・顕彰の制度の改正

 

 2003年(平成15年)秋に叙勲制度が改正された。その理由は、旧制度では

   ・「勲一等」などの数字を使って叙勲に上下があることを露骨に示したり、

   ・男女の区別をしたり、

   ・政治家や公務員に受賞者が偏っていたり

などの理由があったからである。

 その結果、

   ・数字でのランク付けを止める。

   ・旭日章が瑞宝章より上という位置づけを止める。

   ・女性も男性と同じ叙勲を受けられる。

   ・政治家や公務員に偏り勝ちだった選考を改める。

などの改正を行った。

 

 

 そして、私の大先輩でご恩のある方が、2004年(平成16年)春の叙勲で受章されたので、これを機会に新叙勲制度を纏めてみた。

 

1.栄典の歴史

 

(1)叙勲・勲章

 @明治8年4月に「勲章従軍記章制定ノ件」(太政官布告第54号)が

  公布され、「旭日章」の基になった。

  我が国の勲章制度の始まり。

 A明治9年に「菊花章」、明治21年に「宝冠章」と「瑞宝章」が制定された。

 B昭和12年に「文化勲章」が制定された。

 C平成15年に、制度を改正する。

 

(2)褒賞

 @明治14年12月の「褒章条例」(太政官布告第63号)公布により、

  紅綬褒章、緑綬褒章、藍綬褒章が制定された。

 A大正7年に紺綬褒章が制定された。

 B昭和30年に黄綬褒章と紫綬褒章が制定された。

 C平成15年度に、制度を改正する。

   叙勲と重なる面が多く、廃止論が起きたが、残された。

 

2.「勲等」の種類

菊花章

大勲位菊花章頸飾

 既に大勲位菊花大綬章を受章している人に、特別に与えられる。

大勲位菊花大綬章

 皇族,外国元首に授与される。

 

 

 

 

旭日章

旭日大綬章

 顕著な功績が認められた人に授与される。

 女性にも。

 どちらが上という区別は無く、叙勲の対象が違うということである。

旭日重光章

旭日中綬章

旭日小綬章

旭日双光章

旭日単光章

瑞宝章

瑞宝大綬章

 公務員等で、公益または公共に対し、多年の功労が認められた人に授与される。

 女性にも。

瑞宝重光章

瑞宝中綬章

瑞宝小綬章

瑞宝双光章

瑞宝単光章

 

 

 

 

宝冠章

宝冠大綬章

 多年の功労が認められた女性に授与される。

宝冠牡丹章

宝冠白蝶章

宝冠藤花章

宝冠杏葉章

宝冠波光章

 

 

 

 

文化勲章

等級は無し

 文化の発達に功績のある人に授与される。

 

3.「褒賞」の種類

黄綬褒章(おうじゅ ほうしょう)

業務に精励し衆民の模範である方

紫綬褒章(しじゅ  ほうしょう)

学術、芸術上の発明、改良、創作に関して事績の著しい方

藍綬褒章(らんじゅ ほうしょう)

公衆の利益を興した方、又は公同の事務に尽力した方

紅綬褒章(こうじゅ ほうしょう)

自己の危難を顧みず人命を救助した方

緑綬褒章(りょくじゅほうしょう)

孝子、順孫、節婦、義僕など徳行卓絶な方

紺綬褒章(こんじゅ ほうしょう)

公益のため私財を寄附した方等

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