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希望に満ちたふるさとの未来を拓く公民館                                                        

第26回福井県公民館後期セミナー報告

平成28年2月26日(金)、後期セミナーを開催しました。
今回のセミナーでは北海道富良野市から太田竜介氏を招き、午前中は講義、午後はワークショップを行い、頭と体を使った研修を行いました。雪の降る中、県内から76名、岡山県からも2名の方が参加されました。
多くの方にご参加いただき、ありがとうございました。

講義 「演劇のまち富良野」をめざして

 講義の前半は、太田先生の自己紹介からスタートしました。
 優等生だった中学生時代、転落していった10代後半から20代前半。そして脚本家倉本聰氏が立ち上げた富良野塾の 10期生に応募し、高い倍率の中で選ばれ、入塾したことをきっかけに変わっていく、壮絶な人生の歩みを紹介し  ていただきました。
 想像がつかない先生の話の展開に、参加者は皆、食い入るように聞き入っていました。
 富良野塾へ入塾してからは、塾長の倉本聰氏から「便利になるということは、人間をサボるということ」や、「自 分が死んだ後の未来を想像し、そのために今、何をするべきかを考える」など多くのことを教わったとその経験を 語りました。現在、全国初の公設民営の劇場、「富良野演劇工場」工場長、そしてその劇場を運営する、これも全 国初の第1号NPO法人となった、「ふらの演劇工房」事務局長を務めており、さらには観光と演劇をからめたまち づくりにも関わっている太田氏ですが、こうした活動の原動力となっているのが、「人に必要とされていること」 であると話し、「演劇は皆が完成に向かって、公演が終わるまでの間、たとえ仲が悪くても一緒につくらなきゃい けない。上下関係など関係なく、みんながみんなを必要としている。必要のない人など誰一人としていません。公 民館でも、”あなたが必要だ”と伝える機会をたくさんつくって欲しい」と伝えました。
 最後に、「人生はどれだけ呼吸をし続るかで決まるのではない どれだけ心の震える瞬間があるかだ」と書かれた『ジョージ・カーリンの手紙』を紹介していただきました。
 2時間があっという間で、笑いあり、涙ありの講義でした。
 
   



表現とコミュニケーションワークショップ

 午後からのワークショップは、体育館へ移動し、体をつかったワークショップを体験しました。
 様々なゲームを通して、普段使わない感覚を使ってコミュニケーションの本質を体と心で感じました。
 その模様と先生の言葉をを少し紹介させていただきます。

 
 午後の部スタート。
 「いくら自分が伝えたつもりでも、相手が受け止めていなければ、伝わったということにはなりません。”伝える”と”伝わる”は違うんです。」とまず説明がありました。
 そして、まずは簡単なゲームを通して、まずは心をほぐしていきました。
 
 
  応援じゃんけんをしている写真です。先頭の人を全力で応援し、最後に一人のチャンピオンが誕生しました!
  
   
  視覚をシャットアウトすることで、他の感覚をより鮮明に感じることができました。

   
  アイコンタクトでコミュニケーションをしたり、お互いのオーラを感じ取ったり、だんだんと高度に
  なっていきましたが、どうしたら成功できるか?と色々な感覚をフルに使った3時間でした。
  最後に皆で一つのゲームを達成できた時には、プチ感動を得ることができました。

  (先生の言葉から)
 「これらのゲームは、できた、できないを判断するゲームではありません。どう意識したか、どうしたらできるかを考えることが大事なんです。」
 「体を使って何かをやった時の達成感というのは、みんなで共有するから感動するんです。一人で感動なんてできないんですね。」
 「子ども達の未来へつなげていくためにとにかく伝えたい大事なことは、”人間は一人では生きていけない”ということ。それを言葉だけじゃなく、心で伝えることだと思っています。僕の人生はここでは伝えきれないほどどん底でした。でも今、福井県にまで呼んでもらえるようになった。いろんな人に出会い、付き合って、引っ張っていかれて、出会いが僕の人生をつくってくれているんです。だから、子ども達にはっきりと伝えていきたい。人生はどうなるか分からない。ああしたらこうなるなんていうマニュアルなんてどこにもないんだ。一人で生きているんじゃないということを、心で感じ、目の前にいる人を大事に、ちゃんと目を見て話せる人になりなさいと。それが、僕ら公民館や劇場の役目だと思っています。」
 

講師プロフィール

 太田 竜介(りょうすけ)氏プロフィール
 岡山市出身。
 1993年4月、富良野塾10期生脚本家コースとして入塾。
 卒塾後、富良野塾公演の音響を担当の傍ら東京で劇団「DON'T DISTURB」「FUNCTION」などに参加。
 2000年4月に富良野に移住し、NPO法人ふらの演劇工房の照明・音響スタッフとして入社。
 2002年より、富良野演劇工場工場長。
 2010年より、NPO法人ふらの演劇工房事務局長を兼務。
 2001年より、富良野市民劇団の脚本・演出を行いながら、富良野演劇工場でのイベントプロデュースや、
 「表現とコミュニケーションワークショップ」、「演劇によるまちづくり」の講演会を各地で行っている。
 演劇の手法を使い、子どもから大人まで様々な人間が触れ合うことにより、コミュニケーション力豊かな
 まちづくりを目指している。
 2014年より富良野市社会教育委員。
 2015年4月より北海道立富良野高等学校「舞台創作科目」非常勤講師。
 ※第35回全国公民館研究集会分科会(スーパー塾)にて「文化活動を核としたコミュニティづくり」の塾長を
 務める。


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