学習室 パレスチナ問題
この記事は、平成21年1月5日に日記に載せた内容である。
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年末から、イスラエル軍がイスラム原理主義組織ハマスの支配するパレスチナ自治区「ガザ」を空爆し、ハマスのメンバーだけでなく一般民も含め400名を超える人が死亡。
そして、イスラエルは、とうとう地上軍の投入にも踏み切ったそうな。
このパレスチナ問題はあまりにも複雑で、他国民にはなかなか理解しにくい問題であるが、私自身の理解の為に出来る限り分かり易く書いてみよう。色々な文献を読むよりも分かり易いと思うんだけど。
ただし、私が私自身の為に書いた物なので、間違いが有っても責めないでください。また、私が書いた内容を信じて他所で喋って、間違っていて恥を掻いても知りませんよ。
1)パレスチナ
・地中海の東側の海岸沿いで、現在のイスラエル国やパレスチナ自治区を含む地域を
パレスチナと呼ぶらしい。
(もう少し広い範囲を言う場合も有るらしい)
2)聖地エルサレムとパレスチナの争奪戦
・紀元前にイスラエル王国を造った民族が、中心都市(聖地)としてエルサレムを造った。
・この民族は、ユダヤ教を生み出し、旧約聖書を作ったが、旧約聖書の中に、
「パレスチナの地は神がイスラエルの民に与えた約束の地である」
と示されている。
・その後、イスラエル王国が崩壊し、外部の支配を受けユダヤ人はチリジリになった。
・ユダヤ教の中からキリスト教が生まれ、やっぱりエルサレムを聖地と定めた。
・ユダヤ教やキリスト教の影響を受けてイスラム教が生まれたが、
イスラム教も、エルサレムを聖地とした。
・この結果、エルサレムは3つの宗教の聖地なってしまい、エルサレムが有る
パレスチナは、奪い合いの場となってしまった。
3)イスラエル国の建設
・パレスチナは色々な民族や帝国の支配が入れ替わったが、
16世紀からはオスマン帝国(トルコ)が支配するようになった。
・19世紀になると、武力の強い民族が色々な民族を支配し大国を造る帝国を抜け、
単一民族で国を造りたいと願う戦いがヨーロッパに広がり、新国が建設された。
・その影響を受けたユダヤ人が、大昔、イスラエル王国の有ったパレスチナに入植。
アメリカなどの支援を受け、1948年に新生イスラエルが建国された。
・その結果、それまでそこに住んでいたイスラム系のパレスチナ人が追い出され、
難民となってしまい、パレスチナ問題が発生した。
4)パレスチナの攻防
・ユダヤ人とパレスチナ人の争いを受け、国際連合は、パレスチナを、
「ユダヤ人の地域」「アラブ人の地域」「国連統括地」
の3つに分けることを提案したが、人数の少ないユダヤ人が
パレスチナの1/3も貰うことに反対したヨルダンとエジプトが、
パレスチナを占領。国家独立を宣言したイスラエルも戦いを開始した。
・国連はアラブ連合とイスラエルの停戦を調停し、一時停戦した。
・停戦中に軍備を整えたイスラエルが反撃を開始し、パレスチナの殆どを支配した。
・再び停戦となり、停戦時にエジプトが抑えていた「ガザ地区」はエジプト領に、
ヨルダンが抑えていた「ヨルダン川西岸地区」はヨルダン領にされた。
・その後、イスラエルが侵攻し、「ガザ地区」「ヨルダン川西岸地区」を支配。
5)パレスチナ解放機構(PLO)とパレスチナ自治区
・「ガザ地区」「ヨルダン川西岸地区」や難民となったパレスチナ人が、
エジプトの支援を受け、パレスチナ解放機構を作り、亡命政府となる。
・この後、イスラエルとパレスチナ解放機構は長く激しい戦いを続ける。
・長い戦いの中で、パレスチナ解放機構は、エジプトとヨルダンに
「ガザ地区」「ヨルダン川西岸地区」の権利放棄をさせ、イスラエルには、
「西岸地区とガザ地区を中心とした独立国家樹立と、イスラエルとの平和共存」
を提案し、パレスチナ暫定自治区が設立された。
6)ハマスの台頭
・パレスチナ自治政府は、パレスチナ解放機構の議長であるアラファトが
大統領として独裁的に運営してきたが、アラファトの死後、アッバスが当選。
・アッバス大統領を中心とする自治政府は、イスラエルとの協調路線を進めるが、
強硬派の「ハマス」は、イスラエルに対するテロ攻撃を続行。
・ハマスは、貧困層等への福祉活動も行っている為、貧困層の支持を受け、
パレスチナ評議会選挙で過半数の議席を占めるなど、力を伸ばしている。
以上がパレスチナ問題の概略で、現在、イスラエルが「ガザ地区」を空爆しているのは、
「ハマスのテロ攻撃、ロケット攻撃が止まないので、自衛の為である。」
としているし、アッバス大統領(PLO議長)も、
「この戦いが起きたのは、ハマスが停戦を承諾しないからである。」
と、身内を非難するようなことを言っている。
この争いが終わることは有るのだろうか。
しみじみ、日本に生まれた幸せを感じるねえ。