「代理ミュンヒハウゼン症候群」
私は、ミステリーサスペンス小説が好きで、一時期はその類の小説ばかり買い漁り読んでいた。
アメリカと言う国は病んでいる人が多い所為か、心理学や精神異状に関する研究が進んでいる所為か、そういう方面の小説も多いので、「ミュンヒハウゼン症候群」を扱った小説も有り、私は、この言葉を早くから知っていた。
因みに、「ミュンヒハウゼン症候群」とは、
・
1720年に産まれ1797年に死去したドイツの貴族ミュンヒハウゼン男爵は、
自分が体験したと、ほら話をするのが好きで、
その話を元に「ほら吹き男爵の冒険」と言う小説が作られたほどであるが、
・その名前に因み、
「周囲の関心を自分に引き寄せる為に、嘘の話をしたり、
自分の体を傷付けたり、病気を装ったりする病気」
を「ミュンヒハウゼン症候群」と呼ぶ。
ことになったそうな。
そして、
・自分が病気の振りをしたり自分の身体を傷付けたりするのではなく、
・自分の子どもを病気にしたり怪我させたりして、
・その看病をすることによって、子どもとの結び付きを確かめたり、
良い母であることを世間に吹聴したりする病気を、
「代理ミュンヒハウゼン症候群」
と呼ぶ。
そうな。
その「代理ミュンヒハウゼン症候群」ではないかと疑われる事件が、日本でも起きたようである。
と言うのも、
・岐阜県関市の35歳の母親が、
重度の感染症で京都大学病院に入院させた1歳になる自分の五女に、
スポーツドリンクに水を混ぜ放置し腐らせた水を、点滴の中に混入させ、
五女は症状が悪化し、集中治療室で治療を受けているそうで、
・母親の犯行が明らかになったのは、
血液検査で通常は血中に無い細菌が検出された為、病院が京都府警に連絡し、
ビデオカメラを設置して不審な行動を確認した。
そうな。
調べに対して、母親は、
「死なせるつもりでやったのではない。
病院の面会時間は限られているけど、病状が悪化して、
ICUに入ればずっと付き添って看病できると思った」
と供述しているそうで、京都府警は、特異なタイプの児童虐待「代理ミュンヒハウゼン症候群」の可能性が有るとみて、詳しく調べているそうな。
もっと問題は、この母親が5人の子供を産んでいるが、次女、三女、四女が4歳までに病死していることで、ひょっとするとこの3人の娘たちも、同じような虐待を受けて死亡したかも知れないことである。
逆に言うと、
「3人もの子どもが次々と病死しているのに、誰もおかしいとは思わなかったのだろうか?」
との疑問が消えない。
皆さんは、どう思われますか?