健康の学習室 #04 結核健康診断・ツ反・BCG

 孫がBCGを受けることになり、結核健康診断について調べたところ、昨年度までは小学一年生と中学一年生で行われていたツベルクリン反応検査とBCG接種が、今年度から行われなくなったことなどが判明。そこで、その理由について、自分の勉強にまとめてみたので、参考までに読んでみてください。

 

《結核とは》
  結核は、最初は咳や微熱、痰などが出て「風邪に似た症状」を示すが、病気が進むと、血痰が出たり吐血したりし、肺に穴が開き、最後は呼吸困難で死ぬ恐ろしい病気である。
  第二次世界大戦が終わるまでは、患者も多くまた死亡率の高い病気だったが、 治療法と予防対策の進歩で、戦後は急激に患者が減少し、忘れられていくようになった。しかし、最近、集団感染が発生するなど患者数が増加しつつあるそうなのである。

 

《ツベルクリン反応検査》
  これは、結核菌のエキスを薄め皮膚に注射し、体内に結核菌が入ってきても免 疫
(押さえ込む力)が有るかどうかを検査する方法で、
  ・免疫が有れば赤く腫れる(陽性+)
  ・免疫が無ければ赤く腫れない(陰性−)
という結果になり、陰性だとBCGを打つことになる。
 
《BCGの意味》
 ツ反検査を受け、陰性ならBCGを接種する。

 BCGは結核 菌を薄めたワクチンで、これで体内に免疫を作ってやると、自然に結核に罹った時に結核性髄膜炎など重度の被害を防ぎやすくなる。

 

《小中一年生の時のツ反検査》
  乳幼児の時に受けたBCGの効果は、かなり長い間持続すると言われているが、本当に効果が残っているのかを調べるのが、小中一年生のときに受けるツ反検査である。
 この検査で陰性だと、結核に対する免疫がないということでBCGを打っていた。しかし、最近の研究で、
  ・児童や生徒で結核に罹ることが殆ど無いこと
  ・小中学生の時期にもう一度打つBCGは、殆ど効果が無いこと
が分かり、WHO(世界保健機関)も「BCGの有効性を示す根拠はなく、接種を勧めない」と声明を出したので、世界中で学童期にBCGを打つことを止めるようになり、日本も止めることになった。

 

《新しいやり方》
 新しいやり方は、
  ・生後6ヶ月の乳児全員にBCGを接種し、検疫を付けさせる。
  ・小中学生全員の保護者に、予診票で児童生徒本人や家族に、
   結核患者や疑いのある人が居ないかを書いてもらい、
   該当する児童生徒があれば、校医の検診やX線撮影、
   専門医で受診などの処置をしていく。
というものである。

 この方法で何よりも大切なことは、予診表には正確に書くことで、隠したりすると、結核に罹っていたり罹る恐れのあったりする人が適切な治療や処置を受けられなくなり、結核の被害を深める恐れが増す。

 

 如何でしょうか、役に立ちましたか。
 嗚呼、そうそう。

 中学生の頃、BCGを打ちたくない友人が、赤く腫れていないので叩いたり掻いたりして無理矢理赤くしていたのを、ふっと思い出しました。
 ツ反システムの意味が分かると馬鹿な話だと笑えるけど、昔はここまで詳しく教えてくれませんでしたからねえ。(笑)