語源 #11 エイプリル・フールの意味

 

 エイプリル・フール(4月バカ)と呼ばれる4月1日は、罪の無い「嘘」をついても良い日とされている。

一体全体、どういう経緯からそうなったのだろうか?

 その謂われとしては、いっぱいあるようなので、簡単に紹介してみよう。

 世界大洪水の雨が止んだとき、ノアが方舟(はこぶね)から鳩を放ち陸地を探させたが、無駄骨だったその日が、4月1日だったことから。

 古代ローマでは、4月1日だけ、奴隷を主人の椅子に座らせ、主人が奴隷の真似をし、楽しんだことから。

 フランスでは、この時期に殆ど魚が獲れず、有り得ないこととして、4月1日を「4月の魚」と呼ぶ。

 キリストがユダに裏切られた日を忘れないために作られた、キリストがローマの聖職者達に侮られたのを忘れないために作られた、などのキリスト起源説から。

 昔は、春分の日が新年の始まりで、3月25日から7日間お祭りをし、締めくくりとして4月1日にプレゼント交換をしていた。ところが、フランスのシャルル9世が、1月1日を新年の始まりにしたため、それに反抗し、4月1日を悪ふざけして過ごしたことから。

 インドでは、春分の日から7日間、修行僧が過酷な修練を行うが、それが終わる4月1日には現世に戻って、修行が無駄になるため、意味がないというアジア発祥説から。

 まだまだ有るかも知れないが、取り敢えずは、こういうことで。

 

 日本人は、あまりこういう風習には慣れていないので、感心させられるような嘘は無いようだが、外国では、とんでもないことになった例がある。