語源#005 土壇場の語源
この文章は、
あんとん2さんが、わたしの掲示板に書き込んで下さったものを転記させていただいたものです。
語源と言えば「どたキャン」は御存知?
アメリカのスーパーモデルの ナオミ・キャンベルがお得意としたこの作法は、
それこそ、ギリギリまで引っ張り、もう少しのどたんばでキャンセルを掛ける高等技術(?)
彼女はナオミ・キャンベルならぬナオミ・キャンセルとの有難くない称号まで貰ったそうな。
それはともかく、「どたんば=処刑場」。
昨年21/JULYのクイズ赤恥青恥での出題と解答。
処刑場を噛み砕くと、昔・戦国時代にあった斬首刑場へ辿り着くのであるが、
その頃の咎人(とがにんと読み罪人を指す)は、河原などの刑場で、
自らが処刑後入る事になる穴を地面に掘らされた。
人が入る穴が出来上がると、周囲に掘り出した土が盛り上がり、
その上に、丁度穴の真上に頭が来る形で咎人を膝ま付かせ、首を斬る。
その首は穴に落ち、残る肢体を後方から蹴り落とした後に、土を被せて終了である。
この土を盛り上げた場所がどたんばで、漢字にすると「土壇場」となるのである。
とどのつまりが、「生死の境目」を意味するのである。
だから、どたんばの大逆転などの用例で使われる事が多いのも頷ける。
では、壇(だん)とは→これは元来高くした場所・一段上を指し
例えば、教壇、文壇、花壇、祭壇などで使われ、土だから土壇と呼ばれたのである。
何故この漢字が使われるかと言うと、「かんじ」だから中国語にルーツが有る。
古くは園丘(えんきゅう)と呼ばれ、
皇帝が天を祭る為に作った丸く階層を重ねた建物(日本で言えば城や五重塔など)が、
明の時代に天壇(てんだん)と呼ばれる事になり、各地で作られた。
現在は、北京の天壇公園が最も有名である。
これらの建物は、平地よりも一段高められた場所に建立されていて
それを壇と呼ぶのである。
これ以上遡るには、紀元前1世紀の長安に初めて建った園丘へと向わなくてはならない。