語源#008 出世魚(ボラのこと)

 

ボラという魚がいる。

日本全国どこでも獲れる魚であり、それほど喜ばれる魚でもない。

しかし、この魚、成長するに従って呼び名が変わる「出世魚」なのである。

関東と関西では、若干の違いがあるが、

オボコ→イナッコ→スバシリ→イナ→ボラ→トド

などと名前が変わっていくのである。

 

そして、この魚、日本語の文化に貢献すること多大な物があるのである。

「オボコ」・・・・・・・ボラの幼魚のように、幼く初々しいこと。

「いなせ」・・・・・・・イナの背鰭のように格好良い様子。   

「とどのつまり」・・・ボラが最後にトドになるように「最後は」 

と言うようにである。

このボラには、文化庁当たりから、感謝状を出すべきではないかと思う私である。