技術の学習室 #05 「ガラパゴス」

 


 福井県坂井郡三国町に有る「松島水族館」に行く途中のSA(サービスエリア)で、珍しい「重機」に出会った。先ず最初に、ユンボーやクレーンなどの「重機」が大好きな孫が見付け、駐車場をトコトコと歩いて側に寄っていったものである。

 さて、近付いてみると、今まで見たことのない「重機」で、何に使うか分からない。取り敢えずそのデカさに感心しながら眺(なが)めていたら、丁度運転手さんが車に帰って来た。
 そこで、
「この重機は、何に使われるの?」
と聞いたら、
「左側の大きな受け皿に、コンクリートの剥(は)がした物を入れると、
 中で細かく粉砕(ふんさい)されて拳(こぶし)くらいの大きさになって、
 右の伸びた口から出てくるので、道路などに敷くんや。」
と詳(くわ)しく説明してくれた。続いて、
「今まではこの機械が無かったので、剥がしたコンクリートを工場に持ってきて、
 そこで細かく砕いて、もう一回トラックに載せて現場に持って行き、播(ま)いていたけど、
 これが出来て、その場で砕いてその場で播けるようになった。」
とも説明してくれた。

 笑ったのは、私が、
「この重機の名前は、なんて言うん?」
と聞いたら、運転手さんが、
「ガラパゴス!」
と答えて、
「がはははは。」
と笑った。私も思わず、そのダジャレのネーミングに
「がははははは。」
と追従(ついじゅう)した。

 御承知の方も居られると思うが、「ガラパゴス」とは、科学者「ダーウィン」が「進化論」という学説を発表するに至った化石的生物や珍生物が住む生物学の宝庫である。
 処で、コンクリートの廃材を粉砕した小石ほどの物を「ガラ」と言うらしいが、その「ガラ」と「ガラパゴス」を引っ掛けてネーミングしたのであろう。


 それにしても面白い物を見られたしその説明もしてもらったので、とてもラッキーだったなあ。