彼岸(ひがん)と涅槃(ねはん)

 

<彼岸の歳事としての意味>

 春分の日・秋分の日を、「彼岸の中日」と呼ぶ。

 春分の日・秋分の日は、昼夜の長さが等しく、真東から太陽が登り、真西に沈むので、お釈迦様の居られる「西国浄土」に一番近くなる日、とされている。

 

 そこで、各寺々ではお経を唱え諸霊衆生の成仏を導く催し物を行うが、一般的に、団子やぼた餅を作り仏様にお供えし、祖先の霊を供養する日となってきている。

 

<彼岸の元の意味>

 彼岸「ひがん・しがん」とは、「涅槃」に入ることを言うとされている。元々は、梵語である「波羅密多」の訳語であるそうな。

 

 仏教的には、人間最後の願いは彼岸に至ることである、とされ、

  

 

<涅槃>

 gooウェブ辞典に依ると、「涅槃」には、2種類の意味があるようである。

 

@「あらゆる煩悩が消滅し、苦しみを離れた安らぎの境地。究極の理想の境地。悟りの世界。」

  サンスクリット語では、ニルバーナと言う。

A「死ぬこと。一般には釈迦の死をいう。」

  お釈迦様の亡くなった日は、2月15日である。この日、私の住んでいるところでは、お寺で涅槃会が催され、カラフルな団子が配られる。

 

 @の悟りの世界・境地に到達する方法には、これまた2種類有るようである。

  ・有余涅槃(うよねはん)・・・生きたまま悟りの境地になること。

  ・無余涅槃(むよねはん)・・・亡くなって仏の世界にはいること。

 有余涅槃(うよねはん)にたどり着くことが最高の理想とされているようであるが、その為に、人間は努力をしなければならないとされている。その努力として、@布施 A持戒 B忍辱 C精進 D禅定 E智慧 に努めなければ成らない、とされている。どれもみな、難しいことであるが。