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2001.10.21 NAGANO

2001年10月21日。曇り。名古屋から高速で約3時間を経て、二度目となる内田邸を訪ねた。二階建ての木造で以前まで土が見えていた玄関先が舗装されていた。到着した車の音に気が付かれたのか、内田さんと愛犬のナオがお出迎えでした。ありがとう!

 さっそく、工房へ通されると、今回オーダーしたウクレレと共に4台のウクレレが目に入った。思わず絶句!すばらしい!まず手にして感じたのが凄く見た目より軽いと言う印象。それをすっと忘れさせるのが弾いた時の音色だった。またしても身体が痺れる感じ! 私はコンサートタイプでトップをコアにサイドとバックをハカランダでLoーGと言うコンセプトでオーダーしました。後は内田さんのオリジナルに溢れた作品を期待!内田さんも当初はイメージ作りに大変だったようですが、作品が出来上がるにつれて製作の勢いが止まらず、スタンダードタイプも製作また、それを上回る同時に2サイズのウクレレを全部で4本を完成!

 内田ウクレレ第1号となるシリアルナンバー108を私は内田さん宅のソファに座り弾いた。私は周りの話も耳に入らないようにウクレレを色んな角度から眺めて「ほっ〜」と一声!今度は弾いて「フムフム」と一人の世界に入り込み、ほくそ笑んでいた。第一の特徴はハイポジションでも弾きやすくする為に、トップのネック側をカットした仕様で、これは何度もコア材を試験的に曲げるなど苦労されたようである。

また全4本に共通するのだが、ブリッジのコマを反転する事によってLo-Gチューニングの弦でもスタンダード仕様の弦でも使えると言った、プレイヤーにはとても頼もしいアイデアが盛り込まれていて、改めて内田さんの凄さを感じました。

 もう1本はスタンダードタイプでコンサートタイプと同じ材を使用。こちらもまた今までにない音が前へと出る感じが印象的である。やはりサイドとバックにハカランダが使用されてるからだろう。自分としては最高の贅沢でありこれを所有しても良いのだろうか?もっともっとウクレレの腕を磨かねば(汗) 

 長野の山はこれからが紅葉を向かえるようであったが、気温は少し低く新しく増築したテラスには早くもストーブが焚かれていた。

内田光広オリジナルウクレレ

(上段)コンサートタイプ NO-110/オール・ハワイアンコア材にメイプルのバインディング。Neck: マホガニー、Fingerboard: ハカランダ、Peg-tuner: ゴトー製。15フレッツ・ジョイント。Lo-G.Tuning

(中段左)スタンダードタイプ NO-111/オール・ハワイアンコア材にメイプルのバインディング。Neck: マホガニー、Fingerboard: ハカランダ、Peg-tuner: ゴトー製。12フレッツ・ジョイント。

(中段右)スタンダードタイプ NO109/サイド&バックをハカランダでトップにハワイアンコア材、バインディングにメイプルを使用。Neck: マホガニー、Fingerboard: ハカランダ、Peg-tuner: ゴトー製。12フレッツ・ジョイント。
(下段)コンサートタイプNO108/サイド&バックをハカランダでトップにハワイアンコア材、バインディングにメイプルを使用。Neck: マホガニー、Fingerboard: ハカランダ、Peg-tuner: ゴトー製。15フレッツ・ジョイント。Lo-G.Tunning

TOP&PEG HEAD/コア
SIDE&BACK&FINGERBOARD/ハカランダ
バインディング/マホガニー 力木/コア&杉
NECK/マホガニー PEG-TUNER/ゴトー
Lo-G.Tunning & Standard Tunning 兼用
15フレッツジョイント

ボディのカッタウェイはクラシックのマンドリンをヒントにあみ出された内田さん苦心の技。何度となくコア材を折り曲げ強度等を試した後製作、またバインデングも尚の事苦労をされたようです。すごい!

ハイポジションでの演奏がしやすいのと、私の場合は右手の位置が丁度カットされた所へフィットし楽器事態をホールド出来演奏しやすいものとなっています。
力木はホールサイドを跨いで2本コア材が使用。またブリッジ下には上に向かって広がる感じに杉が使用されています。これはNO108/NO109共にです。
音色は今までになく太くLo-G弦音が確りとして、音にもごまかしが聞かない、ハカランダ特有の前に出る感じがします。

TOP&PEG HEAD/コア
SIDE&BACK&FINGERBOARD/ハカランダ
バインディング/マホガニー 力木/コア&杉
NECK/マホガニー PEG-TUNER/ゴトー
Lo-G.Tunning & Standard Tunning 兼用
12フレッツジョイント

NO108/ NO109と共にLo-Gチューニングでもスタンダードチューニングでも使用出来るように、ブリッジのコマ(4弦のみ)が弦によって弦高が変わるのを考慮して反転出来るよう作られています。

またこちらも共に、サウンドホールのバインディングも共に後ろに回り込む形になっていたり、ブリッジで弦を通した後の余り弦を再度ブリッジへ差し込めると言う憎い演出がなされた弾く人の為の製作がなされた楽器だと言えます。

音色はサイズもチューニングもスタンダードなのでコンサートタイプを弾いた後だと、甘く可愛く感じますがこちらも音が前に出てマホにはない音色です。いずれこちらもLo-Gへ変えたいと思っています。フレット幅はNO108/NO109共に少し幅広で押さえやすく設計されています。

工房は意外に狭いスペースであるが、全ての物がきっちりと整頓されていて、手入れが行き届いていた。材の加工は隣の部屋で愛犬「ナオ」の部屋も兼用でした。

一番下に見るのが掃除機で研摩した木屑を吸引するオリジナル研摩機です。

アイリッシュ製のバケツ?
ゴミ箱だそうですよ。まったく変なところのレポートですみません。

72年に中出氏にギター製作を師事。79年河野ギター工房などを経て、83年渡独へ87年北アイルランドでアコースティックギターの名門「ローデン」で3年あまり従事。同時に海外有名アーティストにもギターを製作。90年帰国後、長野にて内田ギター工房を開設。月産1本と言うペースで製作されている。

この愛くるしいお顔が内田さんです。ギター職人と言う確りとしたこだわりの中にも優しさをが感じられるお人柄でしす。(らぶ)

愛犬「ナオ」
ナオマンドリンで有名な安川さん宅から10年前くらいに来たそうです。とても素直な大人しいナオです。

こちらはつい最近までやんちゃで仕方なかった「丹波(タンバ)」です。諏訪の近くで拾われて来たそうですよ。

内田さん製作ウクレレ第1号を私が、第2号を内田さんが持ち記念の写真を一枚パチリです。数年前に予約を入れた時には、確かクラシックギターを作る予定でしたが、いつの頃からがウクレレに興味がわき、今年始めに内田さん宅を訪れた時にはウクレレを注文していました。
ウクレレの魅力ってやはり手を伸ばすとそこにポロンと言う音と共に安らぎを与えてくれる、優しいヤツです。別段5000円のウクレレでもそれは同じだと思いますよ。確かに今回内田さんが製作されたウクレレは高価なものです。私にとっても本当に贅沢なものだと感じています。それだからこそ、ウクレレと言う楽器が持つ魅力を私はこれからもずっと愛し続けて行けるようにしたなぁと思ってます。内田さんありがとう!それにブルーリッジの廣田さんありがとう!あなたに会えないとこのウクレレは完成してなかったかも・・・Ukulele Life