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スコットランド〜バグパイプ

 

 

バグパイプの歴史

タータンチェックのスカート姿、マントに軍帽。バグパイプを演奏する姿は日本でもよく知られてますね。バグパイプはスコットランドの楽器として有名ですが、もともとはアジア域の牧民の楽器だったようです。

その起源については定かではありませんが、おそらく西アジアのメソポタミアあたりの発祥と考えられています。そこから西ヨーロッパやイギリスへはどのように伝わっていったのでしょうか。ケルト人が持ち込んだと言う説、ローマの侵入とともに持ち込まれたと言う説、十字軍が持ち込んだと言う説など諸説あります。いずれにせよ、ヨーロッパに普及していったのは13世紀頃のことでした。

バグパイプが初めてイギリスの軍隊で使われたのは1431年のことであったと記録されています。大きな音を出して、相手を威嚇する目的もあったようです。

現在、バグパイプの種類は70種類をこえるといわれていて、このことから、多くの民族を経て、スコットランドにたどり着いた楽器だと考えられます。

バグパイプのつくり

バグパイプは牧民の手で作られました。モルゴンの遊牧民が自分の飼っていた馬で馬頭琴を作ったように、彼らは羊の皮袋を楽器にしたのです。

バグパイプの基本的な構造は、皮袋に空気を入れ込み、その皮袋を圧迫して出し空気で笛を鳴らすというものです。皮袋も笛を多声化するためには適していて、羊の手足の部分を用いて笛を何本かとりつけるというのは、まさに牧民の知恵から生まれた楽器といえます。

その多くが口で息を吹き込む楽器ですが、アイルランドの「イタリアンパイプ」と呼ばれるバグパイプのように、送風用のふいごを用いるものもあります。

スコットランドのバグパイプには、笛のほかにも3本の管がついています。これはドローン管といい、持続する低音を鳴らすものです。このような工夫から、バグパイプ独特の音色は生まれてきました。

バグパイプの種類と呼称

バグパイプの分布はロシア西部、ヨーロッパ各地、バルカン半島、西南アジア、北アフリカ、インド等、広範囲に及びます。そのためが様々な呼名がありますが、それらは3通りに分類できます。楽器の名前に袋、羊、笛という意味の言葉がつくものの3つです。

「バグパイプ」は「bagpipe」。「バグ(bag)」はつまり、袋という意味です。名前からその由来を知ることができる楽器はいくつか紹介しましたが、バグパイプもそのひとると言えるでしょう。

 

ブルガリアンの「ガイダ」と呼ばれるバグパイプ。
これを見ると、バグパイプの基本的な構造が良く分かります。
このような形態のバグパイプは、
東ヨーロッパではよくみられるもです。

 

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