椿の魅力
椿は日本の花です。「古事記」や「万葉集」にも、椿の話や歌が見ることができます。ですから、これよりかなり前から日本人の心をとらえ、現在まで茶道や華道ではなくてはならない花として大切にされてきました。
椿の花が、不意に花ごと落ちるということから、首を切られたようだと連想して、不吉な花だという人もいるようですがそれは全くのこじつけです。江戸時代椿の花の美しさ、勇かさに多くの武家が椿を愛好し始めて、それがあまりにも流行しだした為に、驚いた幕府側は武士の繊維が廃れるのを心配して、それを鎮めるために流した、流言飛言が現在の一部の人に信じられているようです。
椿の花の魅力は、まず何といっても真冬の荒涼として冬風の吹きすさぶ原野や山に実に可憐に、又凛々しく咲いている、その姿だと思います。真冬の山原野又庭には降り積もった白い雪、枯れ果てた木々の中に椿の真っ赤な花を見つけた時の感動こそ椿の魅力です。又花の時期が非常に長く楽しめることです。11月ごろから咲き出して、5月頃まで約半年近く花が次から次と咲きます。しかし、その最盛期は椿の字のとおり春の2月、3月、4月ではないでしょうか。