隅の大場         

実戦に生じやすい隅の大場をいくつか見て、大きさを頭に入れておきましょう。

  1図

 星打ちの常出形で の点をどちらが打つか、
 ものすごく大きい。

 「17目」の手です。

 

 

  2図

  と押さえ、 と受けたとすると、
 「先手10目」 の打得になります。

 のちに白 の先手ハネツギは計算ずみ。

 

 

 

  3図

 白が手を抜けば の一子取りが残り、

 なを、黒Aの先手ハネが権利で、そこまで計算に
 入れると 1図の の押さえは 20目以上にも
 ふくれあがります。


 

  4図

 白から ➀ とハイ込んだ場合も、黒が
 受けるか受けないかの問題があります。

 受けるなら でこれは白の「先手7目」と
 覚えて下さい。

  に黒が手抜きしたとき、白から二通りの打ち方が
 あります。

 

 

  

  5図

 一つは と決める手。

 のちに白 A とツグか、黒 A と切り取るか、
 双方の結果を折半するので、

 それがめんどうなら、、、、

 

 

  6図

  とノビ出して まで。

 白の先手ヨセと見れば分かり易いでしょう。

 前図とほとんど差はありません。

 本図と3図を比べれば 「20目」 なのが納得
 していただけるはずです。

 

  7図  形が変わって

 黒A と走るか、白B と隅を守るかという問題。

 これは18目と覚えておきます。

 ただし、、、、



 

  8図

  の走りに白が手を抜くという仮定があります。

  は手抜きとすれば、 のコスミから まで。

 黒が権利の先手ヨセ。

 そしていずれは、、、、

   (  手抜き)

 

  9図

 白が を先手に決めます。

 これが黒から走ったときの想定図です。







 

  10図

 白から打つ場合は とコスミつけ、
  の下がりに と受けて、
  以下⑦までと 見れば分かり易い。

 9図との比較です。

 当図は 9図より 白地11目増、 黒地7目減。

 はっきり 「18」 という数字が出ます。

  ただし、8図~10図まで、
 ヨセの数値を出すため都合よく作った意味があり、
 実戦ではこう打たれるとは限りません。

 

  11図

  の走りには手抜きせずに 
  ②
とツケる例も多い。

  まで、後手でも の先手バネを残し

 「逆ヨセ10目」 は大きい。

 

 

  12図

 また、白から打つにも、どうせ後手なら
  とし、 の先手ヨセを残すことが
 当然考えられていいわけです。

 

 

  13図   [ 形変わって ]

  隅をどちらが と押さえるか、これも10目
 以下ではあり得ません。

 まず白から打つとして、、、、

 

 

  14図

  と押さえ、 を手抜きと見るのはごく自然です。

 今すぐ とハネて受けるとは思えない。

 黒が手を抜けば、 のハネツギは
 当然の権利となります。

   ( ② 手抜き)
 

  15図

 黒が と押さえ、は手を抜いて
 切り取りとなる。

  と切るか、 とツグか、理屈の上では五分
 だけれど、

  と押さえた以上、黒が切り取ると見ても、
  そう無理ではないでしょう。

 もう一度白が手抜きし、、、、

 ( ② 手抜き)
 

  16図

  から先手ヨセです。

 14図に比べ、
  16図は 黒地8目増、 白地11目減。

 「16目」 と計算されます。

 

 

  17図       

 高目の内ヅケ定石から生じる形。

  の点をどちらが打つか、

 やはり10目を超える大きさです。

 

  18図

  と下がり、 を手抜きなら
 サルスベリでヨセます。

  とコスミつけて受け、 まで黒の先手ヨセ。

  以下は に付随した権利と見てよい。

 

  19図

 白から打つには のハネ下がり。

 19図 (当図) は18図より白地7目増、

 黒地4目減。

 したがって、 「11目」 と計算されます。

 もし他の部分に大きいヨセがなく、18図の
  と受けられそうなら、、、、

 

 

  20図

  とハネて とカケツギ、

 劫含みのAでヨセるべきです。

 だいぶ慣れたと思いますから、もう細かく
 図にしません。

 目で想定図を作り、増減を比較して下さい。

 

 

  21図

 黒から打つには と下がり、後の
 先手ヨセです。

 

 

  22図

 白が打つには とハネツギ、

 後は白A黒B となります。

 前図との差 「13目」と計算できます。

 

  23図

 これはツケノビ定石からできる形。

 黒Aと下がってBのサルスベリでヨセます。





 

  24図

 白からは とハネツギ、黒が手を抜けば
 白A 黒B白X黒▲ まで、白の先手ヨセ。

 そうなった場合、23図  (黒Bを打った形) との出入りは
 「17目」 になります。

 白のハネツギに 黒B の受けが 「逆ヨセ6目」 です。