細かい注意         

ヨセは注力の争いです。

こまかく神経を使い、どんな小さな得失でも見逃さないようにします。

たいへんくたびれる作業ですが、めんどうだと云って大ざっぱな打ち方をしていいては、
勝てるわけもなく、上達ものぞめません。

勝利とは、苦しみの中からつかみ取るものなのです。

  1図

 

 

 [ 1図の解説 ] 

  とハネツギ、C となりました。

 この手順を見てどう思いますか。

 「無神経だなあ」 と、
 あきれてもらわなくては困るのです。

  黒も白もひどい打ち方をしています。

  がひどく、A もひどい。

  はここを打つなら に下がるべき。

 白も、、、

 

  2図

 A と打ち欠き、C でなくてはなりません。

 やがて 黒A白B となるとして、
 黒地は確実1 目減っています。

 たった1目でも、無条件の1目。

 「大きい」 と感じるようであって下さい

 

  3図

 A と出るなど無謀です。

 C からシチョウに追い、 に断点がある限り
 シッポは落ちる運命です。

 「理由のない損」 をしてはイケない。

 これを声を大にして云っておきます。

 

 

  4図

 白からどうヨセるか、、、、

 と云えば正確な答えが返ってくるでしょう。

 

 

  5図

 しかし実戦では、読者のうちの半分が、
  と決めるのではないですか。

 このあと 白A には手抜きです。

 黒A と1目作るのと権利は互角で、
 ここに半目の黒地を残すことになります。

 

  6図

 正着は です。

 黒は と受けざるを得ない。

 後に半目 (後手1目) が残るかどうか、
 それだけのことですが、理由のない損だけに
 大きいのです。

 

  7図

 これも同様に とヨセるところ。

 白A では と受けられて、あとに の半目が
 残ってしまいます。

 

 

  8図

 隅をどう打つか。

 黒にも、白にも、最善と次善の打ち方があります。




 

  9図

 黒から打つには、 の跳びが手筋。

 白は A と出て C と取るか、 単に C と抜くか、
 ともかく受けが省けません。

 手を抜けば と下がって一子を取り、
 10目近い出入りです。
  

 

  10図

 とアテて A と取らせるのは先手であっても
 無神経です。

 次に黒が下がるのは後手だから、黒は手を抜きます。

 すると、 C から まで、白の先手ヨセが残る。

 前図に比べ、「理由のない2目損」 になります。

 

 

  11図

 白から打つには のコスミが手筋。

 劫はがんばれないとして、 まで、
 白の先手ヨセです。

  と打つのは無神経な手。

  の下がりが生じ、後手で B の取りが
 省けません。