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さて、このデーターから、将来の合計特殊出生率を弾き出そうとしました。予測数値自体は算出できます。しかし、出てきた数値の「R二乗値」が0.12になってしまうのです。この「R二乗値」の説明をしだすと、とても長くなるので避けますが、要するに「予測値として出した数値が信頼できるものなのかどうか」を示すものだと考えてください。この値が、1に近づけば近づくほど信頼性は高まります。逆に0に近づけば近づくほど、信頼性は低くなります。 つまり、「R二乗値」が0.12ということは「計算して出してはみたものの、信頼性に乏しい」ということを意味します。 これは、勝山市という人口の少ないところではどうしても年度により合計特殊出生率の値がジャンプするために一定の流れを示さないことによります。実際に、福井県レベルの人口予測をする際には、合計特殊出生率は緩やかなカーブを描きます。 ・・・これは弱りました。合計特殊出生率の予測ができない以上、ある程度の「見込み」でやるより他にありません。 そこで、ひとつの「仮定」を設けましょう。 @1995年から2005年の10年間の間で、最も低い合計特殊出生率は1.32である。 Aそこで、2050年の合計特殊出生率を1.32と仮定する。 この仮定に基づいて、「小地域簡易将来人口推計システム」に「2050年の合計特殊出生率=1.32」を入力すると、次のようなグラフが出てきます。 ![]() これが勝山市の人口推移です。2050年には、勝山市の人口は1万2000人にまで落ち込みます。 人口が減ることが問題なのではありません。問題は、「どの世代の人口が減るのか」という点に尽きます。 このグラフからわかることは、 @高齢者層は、さほど増減が少ない。 A「15歳−64歳」世代が大幅に減る。 そして、総人口の減り方(=黒線)と「15歳−64歳」の減り方(青線)とを比較してください。まったく同じ角度で減っています。統計学上でいう「相関関係が強い」状態です。つまり、 B勝山の人口減は、「15歳−64歳」世代の減ることによる。 と言えるでしょう。 (もっとも、子供の数も4分の1に減るのですが) 勝山の人口が現在の半分以下に減る・・・・これは由々しき問題です。 40年先の話だと思うから、対岸の火事のように見ている人もいるかもしれませんが、例えば 「2年先に人口が半分に減る!」 となったら、どうなることでしょう。 農業などの産業は? 水道料金、下水道料金などの公共料金は? 学校などの公共施設は? そして、何よりも村の人口が半分に減ってしまったら、村落共同体は維持できるの? 様々な問題が生じてきます。 「人口が減る」・・・これ自体は、避けられない話です。問題は、現在の人口ピラミッドのまま減ってくれるならば、さほど問題は大きくないのです。 次に示すのは、2005年の勝山市の人口ピラミッドです。 ![]() これが2050年になると、こうなります。 ![]() 2050年の高齢化率は、実に48%近くになります。つまり、「勝山の2人に1人は高齢者」という状態が生じるのです。 これだけの資料を見せても、勝山市議会議員の危機感は高まりません。これは残念なことです。 「地域資本・産業資本が投下されていればば、人口が減ってもどうにかなる」と言う市議会議員もいました。どういった理屈でそうなるのかがわかりませんが、地域資本・産業資本が投下されていても、肝心の人口減ではその遺産を食い潰すだけです。ましてや、「高い技術力さえあれば人が減ってもどうとでもなる」などという説は、かつて人口減で悩んだフランスで現実に唱えられ、結果として否定されています。フランスでは、結局、旧植民地からの移民に頼って人口を増やし、それが深刻な国内対立をもたらしました。(サッカーフランス代表のジダン、アンリ、デザイー等は移民の2世などです) また、別な市議会議員は「いや、人口が1万5000人を切ることなどありえない」と感覚だけで話します。なぜ?ありえないのでしょう。人口の推移は、「自然増」「自然減」といった言葉で明らかなように、「このままで推移すればどうなるのか」といった予測です。特別の人口流入がない勝山市では、予測はほぼ過たないでしょう。 挙句には、「子供が増えればいいんじゃないの?」と、この期に及んでそんな世迷言を言う議員まで・・・・・ ちなみに、このソフトを用いて、勝山にとってバラ色の「人口V字回復モデル」をお見せしましょう。 ![]() これが、「夢の勝山、V字回復モデル」です。これが達成されるならば、2050年における勝山市の高齢化率は、2000年レベルまで回復されるでしょう。 このモデルでは、人口ピラミッドは「釣り鐘型」に修正されています。 ![]() さて、問題なのは、この「夢の勝山、V字回復モデル」の合計特殊出生率は? ブログ『月下独酌』で既に紹介したとおり、このV字回復に必要な合計特殊出生率は5.4です。 つまり、「子供は家庭に、普通に6人。8人9人から子沢山」といったありえない状況が起きない限り、勝山の人口がV字回復することはありえません。 救われるのは、勝山市の理事者がこの人口減を折り込んで対応していること。 @勝山市の人口は減る。 A人口が減るのは、勝山市だけではない。 B日本全国の自治体で人口が減る。 Cならば、日本国として税収は減る。 D当然に地方交付税は減る。 という極々まっとうな予測の下に「交付税が3割減らされたとしても耐えられる財政」を目指して、頑張っています。 ありがたいことです。 人口が減ったって、それに対応する手段さえあればどうにでもなります。問題は、その手段を講じないままに「何とかなるさ」で、ずるずると時を過ごしていくことなのです。 2030年の人口ピラミッドがそのことを端的に表しています。 ![]() 2030年の人口ピラミッドは、2050年の形と酷似しています。つまり、この段階に入ったら、もう2050年までは一気呵成に進むということなのです。 我々に残された時間は、さほどあるわけではありません。 |