●進行中の空港関連裁判

                                                                      


  @ 基金への支出の損害賠償請求(福井地裁)

 県が昨年10月、(財)福井空港周辺整備基金に対し、返還利子相当分の2億9千3百万円余を出捐(しゅつえん、一種の寄付)したのは、違法の支出であるため、知事に損害賠償を求めたもの。監査請求棄却を受け今年2月23日、提訴しました。原告は考える会の会員を中心に11人。
 これは、県が基金へ貸し付けた23億円について、貸付期間の5年が終了にもかかわらず、知事が返還請求を怠り県に損害を与えた問題に関し、知事の「怠る事実」の違法性を裁判所が一、二審とも認定し判決が確定しました。この裁判は判決確定を受け、上記2億9千3百万円余の出捐にたいし県に代わって損害賠償請求を起こしたものです。
 第1回弁論4月18日、第2回が5月16日。争点がはっきりしているので、早く結論がでるかも知れません。是非勝ちたい案件です。第3回弁論は6月27日13:30。



 A JAS復命書非公開取消請求(名古屋高裁金沢支部)

 5月9日第1回弁論が開かれ、双方準備書面を提出しそのまま結審し、判決は7月4日13:30と決まりました。
 平成10年5月末、副知事以下4人の県幹部がJAS(日本エアシステム)本社へ福井〜東京路線の就航意思確認にいった際の復命書の公開請求にし、県が相手側氏名と「打ち合わせ概要」を非公開としたのでその取消を求めた裁判です。一審棄却を対受け控訴したもの。
 福井空港はもともと需要が少ないのに加え、新設空港は佐賀や秋田北(大館能代)などのように、いまどこも乗客が十分なくて悪戦苦闘しているのが現状です。県がJASの就航意思確認済みと言っても、それに疑問を抱いたり中味を知りたいと思うのは十分理由のあることです。県は主として「交渉事項」という理由を主張し、一審判決は世の情報公開の流れを無視して県側の主張 を全面的に支持しました。
 しかし基本的な就航意思の問題は、具体的な交渉過程とは違うし、それを公開しないのは県民に対し説明責任を全うしていないというべきです。


 B 下水道奨励金支出損害賠償請求(最高裁) 

 上告状は1999年8月に提出し、受理日は同年12月7日です。以後1年半ほど経過しましたが、最高裁の判断はまだでていません。
 この案件は、坂井町上新庄区に対する下水道接続奨励金(下水道接続工事に対する個人補助)が、空港計画賛成と区長嘱託返上の解消を条件に交付されたのは違法として損害賠償の請求を行ったものです。一、二審とも原告住民側が敗訴していますが、原判決には重要な点で理由不備ないし理由齟齬の違法、明らかな法令解釈の誤りがあるとして上告しました。
 最高裁の判断がまだでていないのは悪い徴候ではない、と法律事務所では言っています。下水道奨励金の交付が、空港拡張の同意をねらった他事考慮、差別行政であるのは、地元住民が一番良く知っていることです。なんとか正義が実現しないかと思っています。
 被告・被控訴人は高橋耕二(坂井町長)。原告は坂井町町民82名。