● 関 係 資 料

               
     1、木枯らし紋次郎も怒っています 
     2、会のアピール
     3、終わりを告げる地方空港整備の時代
                                

木枯らし紋次郎も怒っています

  原発との取引を批判した
  公共事業チェック議員の会の声明


        福井空港拡張問題に関する声明

  自由民主党・公明党・保守党の与党三党が行った公共事業見直し作業によって、8
 月末に279事業に中止が勧告された。それを受け、11月28日、政府は継続の1
 4事業を除く265事業の中止を決めた。
  ところが、その265中止事業の内、与党三党の政策責任者会議により1事業だけ
 「与党預かり」となった事業がある。福井空港拡張事業である。
  これは、1200メートルの滑走路を2000メートルに拡張する、総額780億
 円の大プロジェクトである。だが、福井空港は、1976年の定期便の撤退以来、旅
 客定期便は就航していない。このような現状から、与党の中止勧告、運輸省の事業中
 止決定は、妥当な判断と言える。
  しかし、与党自らが中止を勧告しておいて、当の運輸省が中止を決めたにもかかわ
 らずその与党が中止を受け入れないとする今回の決定は、不可解極まりない。また、
 報道(朝日新聞12月8日付)によると、扇千景・運輸大臣が事業の継続を示唆してい
 る。政府・与党の言動は、矛盾に充ちている。
  矛盾の背景として、高速増殖炉「もんじゅ」の運転再開を福井県に認めさせるため
 に、福井県知事が強く要望する福井空港拡張事業を「与党預かり」にしたと言われて
 いる。そもそも「もんじゅ」は、ナトリウム漏れ事故とその後の情報隠蔽という自業
 自得により、国民からの信頼を完全に失い、運転再開が困難な状況に陥っているので
 ある。
  それを、政府・与党自らが不要と認めている福井空港拡張事業と取り引きして、運
 転再開を実現しようというのは、筋違いも甚だしい。政治的取り引きで不要な公共事
 業を復活させることには整合性が全くなく、改めて「もんじゅ」のいかがわしさを浮
 き彫りにするだけである。また、これが現実となれば、不要事業による予算の奪い合
 いを公に認めることになり、間違いなく国家財政は破たんする。そして、この動きは
 先に成立した原発推進法の精神を先取りしており、バラマキの大盤振る舞いが危惧
 される。
  したがって、扇千景・運輸大臣、亀井静香・自民党政調会長をはじめとする政府・
 与党は、直ちに福井空港拡張事業を中止し、この迷走の経緯を国民に説明するべきで
 ある。

            公共事業チェック議員の会(会長 中村敦夫参議院議員)
            総会員数96名(全て国会議員、12月13日現在)

中止を求める会のアピール

  福井空港の拡張中止を求める
  県民のつどい アピール


 ●福井空港の拡張は、もともと無理な計画です。

  私たちは昨年の春以来、次の4つの理由から福井空港拡張計画に反対してきまし
 た。
 @予定地は今や住宅密集地であり、小松空港にも近すぎてジェット化には全く適さ
  ない。
 Aジェット化しても十分な便数は望めず、小松空港に多数の乗客が流れる。さらに
  新幹線が開通すれば、ほとんどメリットがなくなる。
 B強行すれば6500億円を超えている県の借金を更に増やし、県民生活を圧迫する。
 C県民への十分な説明や合意なしに進められている。 
  私たちのこの主張は対話をするたびに県民の共感を広げ、県の公共事業等評価委
 員会や県議会でも、実質的に賛同する多くの意見が出されました。年間3億円を超
 える赤字の他に4億円の維持費がかかり、投資効果が投資額より低い可能性が高い
 など、計画の無謀さは県が提出した資料によっても明らかになっています。


 ●拡張計画の実現は、もはや不可能です。

  無駄な公共事業の見直しを求める世論や、地方空港の不振が全国的な問題になる
 中で昨年与党三党が「中止勧告」を行い、運輸省は「中止」を決定しました。
  福井空港拡張計画の無謀さは、全国的にも明らかになりました。
  また、計画の実現には「地権者全員の同意」が必要であるため、公共事業等評価
 委員会や県議会から「地権者との交渉には、期限を切って取り組むべし」という強
 い意見が出され、知事は「5月が目途」と答弁しました。
  しかし、地元の合意形成は遅々として進まず、一部集落の「総論同意」について
 は今なお異論や疑問が出ています。反対を貫いてきた地権者は、県のやり方に対し
 一層不信感を募らせ、「地権者全員の同意」 は、どれだけ時間をかけても取れま
 せん。
  今や空港拡張計画は完全に行き詰まり、実現不可能な状況となっています。


 ●県は原発との取引をやめ、潔く計画を中止して下さい。

  にも関わらず県は計画推進に固執し、原発との取引によって与党の「中止勧告」
 を「保留」扱いにさせ、県民合意もないままやみくもに地元対策を強化しています
  こうしたルール違反の見苦しい手法は、超党派の国会議員で作る「公共事業チェ
 ック議員の会」の手厳しい批判を浴び、県民の新たな怒りと不信を買っています。
  国と県の膨大な借金を考えれば、不必要な公共事業による無駄遣いはもはや許さ
 れません。
  いま公共事業に求められているのは、@必要性・採算性に関する冷静な評価と、
 A情報公開に基づく合意形成、B「中止」を選択肢に含めた再評価システムの確立
 です。一度計画したら「絶対やめない」という硬直した態度や、非常識な利益誘導
 ・飲食接待によるやり方は全く時代遅れです。
  私たちは、本日坂井町多目的研修センターで行ったこの「つどい」の名において
 福井県がただちに・潔く空港拡張計画を中止することを強く求めます。

      
2001年2月10日  福井空港の拡張中止を求める県民のつどい

終わりを告げる、地方空港整備の時代

  地方空港の現状と、相次ぐ計画凍結 


  各地の地方空港はJRとの競争や航空自由化で、厳しい運営を迫られています。
  航空会社は、十分な収益が期待できる路線以外はあっさりと切り捨てる方針で、
 地方自治体は航空路線を維持するために次々と新たな負担(航空会社の肩代わり)
 を強いられています。  
  拡張計画を強行すれば、福井空港もこうした空港の仲間入りをすることは明らか
 です。(内容は2000年9月時点)


 ● 減 便 ・・・ 山 形−東京線

  2往復だった「山形−東京線」が00/7/1から1往復に減った。地元自治体
 は着陸料の半額割引や利用促進キャンペーンを行ってきたが実を結ばなかった。
  全日空は「東京−山形線は東京発着の数少ない不採算路線」とつき放している。


 ● 運 休 ・・・ 仙 台−青森線

  仙台−青森線が11月から運休する。この路線はJRとの間で厳しい競争を続てき
 たが平均搭乗率は33%しかなかった。エアーニッポンは「利便性などでJR敗れ
 た」としている。


 ● 低迷する搭乗率 ・・・ 秋 田、佐 賀

  秋田新幹線が開業した秋田空港の、00年5月の利用状況は、全路線で前年割れ
 となった。1ヶ月の利用者は1万人減の約10万人。東京便は約7千人減の6万9
 千人となっている。
  佐賀空港は福岡空港に客を取られ厳しい状況に置かれている。この4月の東京便
 の搭乗率は44.6%と3月を19%下回り、99年7月の開業以来最低となった。

 
 ● かさむ地元負担

  地方空港を抱える各自治体は、路線を維持するため、新たな地元負担を強いられ
 ている。

  <南紀白浜> 9月から着陸料を現行の2/3に引き下げ(2,500万円減収)
  <佐  賀> 朝9時便を飛ばすために、航空会社の夜間駐機負担(乗員の宿泊
         費など)を半額補助することとなった。県の持ち出しは年間8千
         万円の見込み。


 ●相次ぐ計画の凍結

  昨年から今年にかけて、滋賀県のびわ湖空港計画が凍結され、兵庫県の播磨空港
 計画も凍結にむけ大きく動きだしました。静岡でも今、空港反対の運動が大きく盛
 り上がっています

                          

静岡空港建設に反対する運動の状況は → 空港はいらない静岡県民の会HP



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