真空管807アンプの製作 
「807」は1960年台に開局したハムであれば知らない人はいないくらい
有名な真空管である。当時の自作、メーカ製を問わず送信機に
盛んに使用されていた。
5球スーパに使用されていたST管の42、6ZP1にくらべ807は
その容貌はひとまわり大きく威厳があり送信専門管と思っている人も
いるかもしれないが学校の校内放送設備等にも使用されていた。
5極ビーム管である。

ジャンク箱に転がっていた807を使ってオーディオアンプを製作した。
簡単な回路であるので
部品数も少ない。
・ 電源トランスは開局時の自作送信機に使用した思い出のものである。
  ナショナル製 PT120型 2次電圧330V−300V−0−300V−330V 120mA
  B電圧はダイオードを使用して全波整流した。 
・ 出力トランスは春日無線のKA-54B57 を新品購入した。
  メーカのホームページから注文したが即納であった。
  出力5W 一次側最大電流60mAのもの。
・ 前段増幅は12AX7(ジャンク箱から)
・ 807のプレートキャップは入手できるが心配していたがネットで
  新品が入手できた。
・ 807のソケットもネットで新品が入手できた。
・ 電源回路平滑用電解コンデンサーは大容量のものが小型化されているので
  シャーシ内に設置した。
・ シャーシの大きさは300×200×60mmアルミ製
  トランスの穴あけに一番時間がかかった。昔からドリルとヤスリで仕上げる
  古典的な方法で実施した。
・ 配線は入力端子近くで一点アースを実施、その他の配線は特に難しい点もない。
NECの「807」の電極保持プレートには製造番号と
思われる数字が手書きされている
音はクリアーな聞きやすいサウンドである。
電源を切ると数秒かかって音がフェールドアウトするのがなんとも真空管らしい。
部屋の灯りを暗くして真空管のあかりをながめながら音楽を聴くと
真空管ならではの雰囲気が味わえる。