万一に備える       

野球は筋書きのないドラマだといわれますが、碁も同じことです。

前途にどんな事件が待っているか予測できません。

万一に備えるためにも、いよいよこまかい注意が必要です。

  1図

  は先手。

 トントンで五子を取られないよう、白はツギ
 を打ちます。

 

 

  2図

  のツギであるべきです。

 白A とツグのは正しくない。

 なぜなら、どこかで劫が起こったとき、
 黒B と劫立てされることが考えられる。

  と根本をツイであれば、黒Aと五子を
 取られるだけで済む。

 それを 白A とツイであると、損害が大きく
 なります。

 

 

  3図

 白はどう取るべきか。

 

 

  4図

  と取ります。

 理由はもう説明するまでもなく、
 黒A と劫立てされ、受けない場合を

 想定してのことです。

 

  5図

 黒のアテの劫立てに受けず、二子を
 取られたあとの形。

 これなら最小限の被害で、マイナス・アルファは
 残りません。

 

 

  6図

 白が逆の方から打っていたとすると、
 劫立てを受けなかった結果、
 このようになります。

 一子持ち込んでいるだけ2目の損。

 そればかりか、黒A のハネが先手になり、
 被害はもっと増大します。

 あらゆる可能性を考え、絶対に損を残さない
 ようにしたいものです。