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サービスマン
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オーディオラックの一番下にAKAIのカセットデッキが収められている。
昨今、カセットデッキはCD/MDにおされほとんど使用されなくなり、このデッキも
今はほとんど出番もないのである。
また、デッキの世界でAKAIと言えば一流であり、新製品のたびオーディオ誌を
にぎわせていたが、大手メーカに吸収されてしまい、今はもうその名前はない。
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このデッキを購入してしばらくして少し気になることが
あったので、購入店に電話した。
購入店の主人は気安く応じてくれ、「メーカに連絡して
おきますから」ということであった。
家から会社に「アカイさんがデッキを直しにいくという電話が
あった。」という連絡があったのは購入店に電話して
1週間くらいしてからでした。
その日は残業で帰れないが修理してもらうよう伝え
電話を切ったのであります。
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残業すると8時に家に着くのですが、まだサービスマンは来ていないということでした。
しばらくして、電話があり来宅したサービスマンは夜の突然の訪問を詫びデッキの調整に
かかったのであります。
作業しながらの合間の話では
・金沢から来た事。
・今日は他にこちらに用事があった事。
そして、私が8時頃帰ることを確認しまっていたと聞いて驚いたのです。
会社に電話があったのが5時ころであるから3時間待たしたことになる。
私が「家の者に先に点検してもらうように伝えたのですが」と言うと
「使用者不在ではなるべく点検・修理はしないことにしてますので」
ということでした。
「国道の近くにある赤い橋のたもとで景色を眺めたりしていたのです。」とも言われた。
赤い橋とは我町のシンボル「青戸の大橋」のことである。
調整は30分ばかりで終わり、さしだしたお茶を飲み終えると、手際よく帰る準備をし
車に向かった。
作業中に酒もたしなむということを聞いていたので、車に乗り込む時に
地酒1本をさしだすと、少し躊躇されたが受け取ってもらった。
車のなかは機器・部品でいっぱいであったが、そのなかに1升びんの安置場所を
見つけ、礼をのべられ車にのりこんだ。
これから、金沢まで4時間くらいかかるだろう。
春とはいえ花冷えのする日であったが、その寒さも感じないで
私はその車のテールランプが見えなくなるまで、見送ったのであります。
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